H29-S1S2: 数理情報学輪講

テキスト:
J. M. Sanz-Serna, Symplectic Runge–Kutta Schemes for Adjoint Equations, Automatic Differentiation, Optimal Control, and More, SIAM Rev., 58 (2016), 3-33.

以下,この輪講班参加者向けの情報です.
(アクサンを打ちにくいので,以下,アクサンはすべて省いています.)
上のテキストを含め,本稿中でリンクを貼った文献は,東大内からはそのリンクでダウンロードできます.

このテキストは,数値解析(微分方程式の数値解法の),最適制御,自動微分等に関する広範な知識を要求します.Referencesに挙がっている文献のうち,特に以下のものが有用でしょう.番号はテキストの References のものです.

  • [15] A. Griewank, A mathematical view of automatic differentiation, Acta Numer., 12 (2003), 21–398.
  • [19] E. Hairer, C. Lubich, and G. Wanner, Geometric Numerical Integration, Springer, Berlin, 2006.
  • [21] E. Hairer, S. P. Norsett, and G. Wanner, Solving Ordinary Differential Equations I, Springer, Berlin, 1993.
  • [22] E. Hairer and G. Wanner, Solving Ordinary Differential Equations II, Springer, Berlin, 1996.
  • [41] E. Trelat, Controle Optimal: Theorie et Applications, Vuibert, Paris, 2005.

特に[19]が非常に有用で,このテキストで扱っているsymplectic法に関する記述が丁寧に載っています.
[21,22]は微分方程式の数値解法に関する辞書的教科書です.数理3研の共通図書にあります.これはなくてもすませられますが,Runge–Kutta法の次数条件など細かいことをチェックしたければこれを参照すると良いでしょう.

テキストの途中で出てくる自動微分については,[15]が参考になりますが,同じ著者が共著で書いた本,Griewank–Walther (2008)の方がとっつきやすいです.『アルゴリズムの自動微分と応用』(久保田・伊理, 1998) でもよいです.これらは松尾のところにあります(図書館にもあるかもしれません).必要なら貸します.

最適制御については,[41] がもっともこのテキストに合っているようですが,フランス語です.著者E. Trelat氏のHPを見てみてください.

その他,関連文献を調べようと思ったら,松尾のHPの「文献・図書等に関する情報」ページも活用してください.