マルチグリッドモンテカルロ法への決定論的アルゴリズムの適用

担当:三村 崇晃
題目:マルチグリッドモンテカルロ法への決定論的アルゴリズムの適用

概要:
 カオスボルツマンマシンによって二次元イジング模型やポッツ模型を数値的に解析できる
ことが知られている[1]。この手法は直前のサンプルから局所的な更新を繰り返すことで新し
いサンプルを得るという発想は動的モンテカルロ法と共通しているが、乱数を用いることな
く決定論的にサンプル列を得るという点で異なっている。
 一方スピン模型における動的モンテカルロ法解析では、個別にスピンを更新するのではな
くクラスターを形成してまとめて更新を行う手法があり、局所的な更新に比べて相関の低い
サンプル列を生成することができる。本研究ではクラスター更新を行うアルゴリズムのひと
つとしてマルチグリッドモンテカルロ法[2]をとりあげ、カオスボルツマンマシンへの拡張
について議論する。

参考文献 :
[1] H. Suzuki, Monte Carlo simulation of classical spin models with chaotic billiards.
Phys. Rev. E 88, 052144(2013).

[2] J. Goodman and A. D. Sokal, Multigrid Monte Carlo method. Conceptual foundations.
Phys. Rev. D 40, 2035(1989).