数理情報第3研輪講

日時
2012年11月7日(水), 15:00〜17:00.
場所
東京大学 工学部6号館 235号室.
講演者
小橋 昌明(M2)
題目
複数本の初期ベクトルによる双直交系を用いたBiCG法(研究紹介)
概要

BiCG法は、大規模な連立1次方程式に対するKrylov部分空間法の一つである。 方程式の残差と「影の残差」からLanczos原理によって双直交系を構成し、残差に対応する解を求める。 Aliagaら[1]は、複数本の初期ベクトルに対してLanczos原理を用いて双直交系を構成する方法を提案した。 本発表では、この双直交系の構成方法の概略と、それを用いて連立1次方程式を解く方法について説明する。 簡単な問題について数値実験を行ない、BiCG法との比較を示す。 また、既存のアルゴリズムとの関係、特にSleijpenらの提案したBiCG(s)法[2]との関係性について述べる。

参考文献

[1]J.I. Aliaga, D.L. Boley, R.W. Freund, and V. Hern andez. A lanczos-type method for multiple starting vectors. Mathematics of computation, Vol. 69, No. 232, pp. 1577-1602, 2000.
[2] G.L.G. Sleijpen, P. Sonneveld, and M.B. Van Gijzen. Bi-CGSTAB as an induced dimension reduction method. Applied Numerical Mathematics, Vol. 60, No. 11, pp. 1100-1114, 2010.

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