数理情報第3研輪講

日時
2012年5月15日(火), 17:00〜19:00.
場所
東京大学 工学部6号館 235号室.
講演者
嘉指 圭人(M2)
題目
3次元代用電荷法の誤差収束に関する考察/力学系における周期軌道の数値的探索法について(研究紹介)
概要

前後半に分けて発表する.

前半
代用電荷法とはLaplace方程式の境界値問題等に対する数値解法の一つである.実装の容易さ,高速性から主に電気工学の分野で成功をおさめてきた.ところが3次元領域における誤差解析については,2次元領域に比べ発展が遅れていた.本発表では,2次元球面上における関数補間の理論を援用し3次元球面における代用電荷法の誤差収束を説明する.

後半
80年代以降,力学系における周期軌道の数値的探索手法が多くの提案されてきた.それらの中でも力学系の理論に立ち入らずに容易に理解できるものとしてNewton-Raphson-Mees法(Mees[5];Parker-Chua[6])(以下,NRM法)がある.本発表では,数値解析的視点からNRM法を改善する試みについて紹介する.

参考文献

前半
[1] M. Katsurada and H. Okamoto: A mathematical study of the charge simulation method 1. J. Fac. Sci. Univ. Tokyo Sect. IA, Math. ,35 (1998) 507-518.
[2] K. Jetter, J. Stockler, and J. Ward: Error estimates for scattered data interpolation on spheres. Math. Compu., 68 (1999) 733-747.
[3] T. M. Morton and M. Neamtu: Error bounds for solving pseudodifferential equations on spheres by collocation with zonal kernels. J. Approx. Theory, 114 (2002) 242-268.
[4] 岡野大, 杉原正顯, 天野要: 3次元代用電荷法の誤差の収束について : 球面の場合 京都大学数理解析研究所講究録 1573 (2007) 1-12.

後半
[5] Mees, A. I.: Dynamics of Feedback Systems, John Wiley and Sons, New York, N. Y. (1981)
[6] Parker, T. S. and Chua, L. O.: Practical Numerical Algorithms for Chaotic Systems, Springer-Verlag (1989)
[7] 結城喬,松尾宇泰, 杉原正顯: 力学系に対するNewton-Raphson-Mees法について,研究集会 「常微分方程式の数値解法とその周辺」(静岡, March 14-16, 2012).

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