数理情報第3研輪講

日時
2010年4月20日(火), 17:15〜19:00.
場所
東京大学 工学部6号館 235号室.
講演者
深堀 康紀 (M1)
題目
改良版HB認証方式に対する安全性解析(研究紹介)
概要

 HB認証方式はHopper, Blun[2]により提案された認証方式である.この認証方式は受動的攻撃に対して,NP-HardであるLPN問題の困難さにより安全性が保証されているが,能動的攻撃に対しては解読されることが証明されている.しかし,その証明中で用いられている攻撃手法は無駄が多く,必ずしも効率的であるとは言えない.本研究ではHBの正確な安全性を理解するため,HBに対する効率的な能動的攻撃の提案を行った.この攻撃が線形符号の復号に置き換えられることを用いてLDPC符号[1,3]を使った攻撃を提案し,その有効性を数値シミュレーションにより確認する.
 ついで,耐性を高めるために秘密情報に行列を用いる方式を考える.この方式には秘密情報量が大きくなるという欠点がある.その問題を克服するため,秘密情報としてToeplitz行列を用いる方式を考え,この方式の安全性を解析する.

参考文献

[1] R. G. Gallager: Low-Density Parity-Check Codes. PhD thesis, M.I.T., Massachusetts, 1963.
[2] N. J. Hopper and M. Blum: Secure Human Identification Protocols. In Proc. of ASIACRYPT 2001, LNCS 2248, pp. 52-66, 2001.
[3] D. J. C. MacKay: Good Error-Correcting Codes Based on Very Sparse Matrices. IEEE Trans. Inform. Theory, vol. 45, pp. 399-431, 1999.

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