数理情報第3研輪講

日時
2008年10月15日(水), 17:00~19:00.
場所
東京大学 工学部6号館 235号室.
講演者
川原 一真(M2)
題目
差分スキームの線形化の手法とその応用について
概要

保存則や散逸則を持つ微分方程式に対しては,一般にその性質を保持する数値解法が望ましく,近年盛んに研究されている.対象となる微分方程式が非線形な場合,一般に保存・散逸スキームもその非線形性を引き継いで非線形になるが,このとき時間発展にニュートン法など時間ステップ毎の計算が多い手法を用いる必要があり,保存・散逸性を得る代償として,計算コストが高くなる困難があった.
これに対し,エネルギーの保存・散逸性を保ちつつ,スキームのなかの非線形項の計算を線形計算でうまく回避する,計算コストの安価な算法がいくつか考案されている.前回の発表では松尾・降旗らによる手法[1]と,Besse[2]による手法を紹介し,後者の応用として3次,4次の保存量に対する新たな線形保存・散逸スキームを提案した.
本発表では3次4次に対する散逸スキームの再考察と,5次以降の保存量に対する“厳密な保存・散逸性”を放棄した形での線形スキームと,その一般化について考察する.

参考文献

[1] T. Matsuo and D. Furihata: Dissipative or Conservative Finite- Difference Schemes for Complex-Valued Nonlinear Partial Differential Equations, J. Comput. Phys., Vol. 171, (2001), pp. 425-447.
[2] C. BESSE: A Relaxation Scheme for the Nonlinear Schrödinger Equation. SIAM J. Numer. Anal., Vol. 42, (2004), pp. 934–952.

3研輪講スケジュールへ

3研のホームページへ