常微分方程式系を並列計算機上で高速に解く手法としてParareal algorithm [2] が提案された。Parareal algorithmは、求めたい解の時間領域を分割し、各プロセッサに割り振って並列に解を求める手法であり、硬い問題に対して適用した場合に不安定になることが知られている。本発表では、硬い問題に対応できるように、誤差評価による自動ステップ幅選択とリチャードソン補外を新たに導入した改良版Parareal algorithm [1] を紹介し、硬い問題に対して適用した結果について紹介する。

[1] Guibert, D. and Tromeur-Dervout, D.: Parallel adaptive time domain decomposition for stiff systems of ODEs/DAEs. Computers and Structures, Vol. 85, No. 9, (2007), pp. 553-562.
[2] Lions, J. L. and Maday, Y. and Turinici, G.: Resolution d'EDP par un schema en temps "parareel". CRAS Ser. I. Math., Vol. 332, No. 7, (2000), pp. 661-668.