0次元トイモデルを通したDrift Diffusionモデルの収束解析

担当 : 越本 浩央

題目 : 0次元トイモデルを通したDrift Diffusionモデルの収束解析

概要 :
半導体素子の電気的特性を流体によって近似したDrift–Diffusion(DD)モデル[1]がある。DDモデルは現在の半導体素子設計の中で、素子の性能予測・問題点の把握や解明に用いられ、欠かすことの出来ない位置を占めている。しかしながらその需要とは裏腹に、非線形の偏微分方程式であるDDモデルは数値的な収束が難しく、またその計算時間も実用に際しては大きな課題となっている。
本研究では、連続空間上に定義されるDDモデルをゼロ次元 3変数のトイモデルへと簡略化し、その非線形方程式に対する大域的な収束をホモトピー法に則って考える。更に適当なContinuation[2]の計算によって数値解が得られることを述べる。そして本来の連続空間上のDDモデルにおいて、トイモデルの性質がどのように受け継がれ、またその数値計算に際して如何なる注意を要するのかを説明する。

参考文献 :
[1] Scharfetter,Donald L., and Hemann K.Gumme. “Large-signal analysis of asilicon read diode oscillator.” IEEE Transactions on electron devices 16. 1(1969): 64-77.
[2] Allgower, Eugene L.,and Kurt Georg.Numerical continuation methods: an introduction. Vol. 13. Springer Science & Business Media, 2012.